もうすぐ小学校4年生になろうという春休み、リビングでテレビのアニメを観ながらうとうとしていた長女のメイは突然「ひぃっっ!!」というような声を上げました。
びっくりして「メイ、どうしたの?」と声をかけると、メイは体をぎゅーっと丸めて手足がけいれんし、口からよだれを垂らしていました。目の焦点は合っていない気がしました。
けいれんが止まった後、指先の色が黒っぽくなっていたので「呼吸が止まっている!?」と思い、気が動転した状態であわてて救急車を呼びました。
救急車が到着したのは5分ぐらい後でしたが、その時にはメイは意識を取り戻しており「脚が動かないよぉ~」と泣いていました。
女性の救急救命士さんに抱きかかえられて救急車に乗り込みました。兄(長男)は友人宅に遊びに行っており不在で、部屋に一緒にいた妹(次女)が緊張した顔で救急車に乗り込みました。
アニメを観ていてけいれんを起こしたことから、光に誘発されててんかん発作を起こした可能性がある(ポケモンショック)と言われ、1泊入院して検査することになりました。
検査の結果、MRIでは何の異常もなく、起きているときの脳波にも異常はありませんが眠ったとたんに「てんかんの脳波」が出ていることが分かりました。
脳の中のローランド溝と言う部分からローランド棘波という独特の脳波が出ているのだそうで、メイの場合光の刺激とは関係がないと言われました。
この「ローランドてんかん」は3~14歳ぐらい、特に5~8歳ぐらいの子供に多い良性のてんかんで、別名「中心・側頭部に棘波をもつ良性小児てんかん」と言うそうです。
通常は睡眠に入った直後や朝起きる前の浅い眠りの時に、口の周囲がぴくぴくしてよだれが出たりしゃべりたくてもしゃべれなかったりする程度らしいのです。
そういえばメイは6歳ぐらいから、たまに寝入りばなにスウッと息を吸い込むようなおかしな様子を見せたことが何度かあった気がします。まさかてんかんだとは思わなくて…
でもてんかん波が脳全体に広がると、今回のように大きな発作になることがあるそうです。後で聞いたのですが、メイは意識はあったそうです。
娘の今後のことを考えると不安でたまらなかったのですが、デパケンR錠という抗てんかん薬を飲んで様子を見ることになりました。
「ローランドてんかんは良性のてんかんで、思春期を過ぎるぐらいの年齢になれば必ず発作は止まって脳波も正常になって治りますよ」と言われましたが、不安でたまりませんでした。
始めて目の当たりにしたてんかん発作は、とても恐ろしく、また娘が発作を起こすのではないかと思うと私は毎晩ハラハラしていたのです。